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民事訴訟の口頭弁論とは

口頭弁論とは

 口頭弁論とは、裁判の原告と被告の当事者双方が、裁判官が登場する公開の法廷で、口頭で「弁論」や「証拠調べ」をする審理のことを言います。

 口頭弁論の審理の重要な中身として、口頭弁論手続では次の諸原則に従って手続が進んでいきます。

  公開すること (公開主義)
  双方に話を聞くこと (双方審尋主義)
  法廷のやりとりや言い分を口頭で主張すること(口頭主義)
  結論を出す裁判官が審理に直接かかわり手続すること(直接主義)

公開主義とは

 憲法82条1項によって、裁判の審理や判決を言い渡す場合には、裁判所の法廷で行い、その法廷の傍聴を誰でもできる状態にして行うことを保障しています。

 裁判が行われていることを国民がいつでも監視できることによって公正を保ち、裁判への信頼性を上げています。

 公開されずに行った公開違反の裁判は、上告理由として認められ、審理が覆ります。

 ただし、単なる主張の整理などの準備手続や法廷で行わない手続、単に事情や迅速な手続のために意見程度を聴取する際の審尋手続は、公開されません。

 また。公序良俗を害するおそれがあるようなときは、裁判所は公開を停止できます。

双方審尋主義とは

 審理が始まって、当事者が主張立証を繰り広げる中で、当事者は一方のみではなく、双方について対等に弁論を行う機会が与えられ、平等に扱われて裁判がなされることが裁判所に求められています。

 そのために、一方当事者が実質的に弁論をできない場合などには、手続の中断や中止をする制度も設けられています。

口頭主義とは

 審理が臨機で活発なものになるように、弁論は法廷でおこない、口頭でおこなうことを大原則としています。

 ただ、口頭でだけは、その陳述や聴取する際に、記憶の不明確さや発言の漏れも生じますので、その前提として書面の作成が要求されおり、口頭主義を書面により補完する制度が設けられています。

 例えば、弁論は、法廷で口頭で話すだけではなく、準備書面を事前に作成し、当事者や裁判所の間で事前にやり取りする中で、よりよい口頭弁論が実現するように工夫されています。

直接主義とは

 判決を裁判官が考える際に、裁判官は口頭弁論において判決の材料を収集しています。

 判決の基礎となる当事者の主張や証拠調べにより得た事実は、そのまま、判決を構成する材料とすることが合理的であり、関与した裁判官が判決作成を担当するのがいいと思います。

 そのため、口頭弁論においては、直接主義がとられています。

 ただ、裁判官にも転勤があるので、事件の審理の最後まで関われないので、弁論の更新という直接主義を補完する制度があります。

集中審理主義とは

 口頭弁論期日は、複数回に及ぶのが通常です。

 しかし、五月雨式にだらだら行って裁判が長引いた場合、誰も得をしません。

 そのため、裁判が長引かないように、争点と証拠を現に必要なものに絞る整理を行い、争点を絞った後に効率よく証拠調べを実施し、計画的に終結まで流れることを目指すものです。

 争点を中心とした審理を目指すものとして、争点整理の準備手続や計画審理制度を民事訴訟法が用意しています。

具体的な口頭弁論手続

 口頭弁論は、裁判長が指定する期日にその指揮下で行っていくことになります。

 複数回の口頭弁論で、複数の期日に渡っても一体としての口頭弁論であり、どの口頭弁論期日で行われても同一の効果が生じ同価値として扱われます。

 判決の言い渡しは、口頭弁論で必ず行わなければならず、必要的口頭弁論の原則と言われています。

 ただ、判決ではない決定や命令の言渡しや、形式的な訴訟要件の欠陥が明らかで口頭弁論を開催するまでもないような却下判決の言い渡しの場合には、口頭弁論を開催せずにすることができます。

審尋とは

 弁論とは別に簡易で簡略に当事者の陳述を聞く機会であるのが審尋と言われています。

 審尋をすることができる事項は法律の規定で個々に定められています。

 必ず審尋をしなくてはならないもの(義務引き受けがある場合の訴訟引受、証言拒絶の裁判、第三者に対する文書提出命令、再審開始決定、債務者以外への引渡命令、代替執行、間接強制)と、審尋をしてはならないもの(支払督促、差押命令、仮差押え)とが規定されています。