独立当事者参加制度
訴訟結果により権利を害されることを防止する第三者(詐害防止参加)、訴訟の目的の権利が自己のものであることを主張する第三者(権利主張参加)が、当事者の双方または一方を相手方とするために参加する訴訟形態です。
当事者として参加するか、補助参加するか、別訴を提起するかは参加人が選ぶことができます。(民事訴訟法47条)
詐害防止参加について
判決主文や判決の理由中の判断を含めた訴訟の結果によっては、自己の法律上の地位や利益が害されて影響を受ける場合があり、そのような場合、害されることを訴訟の中で未然に防止するために参加することを詐害防止参加といいます。
法律上の地位に影響があることが必要ですので、単なる事実上の影響では足りないとされています。
また、害される状況として、客観的に見て当事者が参加者を害する意思を持っていることが必要であると考えられています。
例えば、原告と被告で参加人を害するために馴れ合いの訴訟をすることが、害する意思を持っておこなったと客観的にみられる典型と考えられます。
このような場合、参加人が何もせずにいると、参加人のあずかり知らないところで、参加人に不利な結果が作出されることになるため、それを防止するための類型であると考えられます。
権利主張参加
当事者間で既に争っている訴訟の対象となっている権利が、自らの権利と重なっていて、両立しないような状況のとき、その当事者間の訴訟をこのまま放っておくと、一方の権利として認定され確定されてしまう状況にある場合には、積極的に権利を主張して、訴訟の中に関わっていく参加形態です。
参加人の請求方法
独立当事者参加は、当事者として参加する制度ですので、補助参加のように当事者の一方に補助的な関与としての訴訟行為をするのみならず、原告及び被告のように請求の定立をすることができる。
そのため、請求が定立できるというのであれば、当事者の一方のみならず、双方にも相手方とすることができる。
参加後の手続
合一的な結論を導くために、必要的共同訴訟の規定(民事訴訟法40条1項から3項)が準用されます。
独立当事者参加の後は、三当事者がお互いに対立し牽制する三面訴訟になります。そのため、一部判決や弁論の分離は禁止され、1人につき生じた中断や中止は全員のために手続は呈することになります。
上訴の場合には、上訴不可分の原則から事件は確定せず、事件全体が上訴審に移審します。
三面訴訟の敗訴者が上訴しなかった場合でも移審し、その者は被上訴人になるとされています。
三面訴訟の合一的確定に必定な限度で上訴審によって、一審に比べた判決内容が不利益に変更することも許されます。