民事(家・男女・金)

権利能力・行為能力とは

権利能力とは

 権利能力とは、民事上の権利を有し、義務を果たすことができる一般的な資格です。

 例えば、単なる石ころや草や木は権利や義務を有することはありませんし、動物も同じです。

 しかし、人間や会社などの組織は権利能力を有する主体となることができます。それが権利能力の主体となるということです。

 その権利能力は、人であれば、出生したときから権利能力を獲得することになります。そのため、胎児は産まれておらず、権利能力を有するとは言えません。

 ただ、次の一定の場合は、胎児でも生まれたものとみなされ、産まれたときに、過去の時点に遡って権利能力の取得ができるとされています。

①不法行為の加害者に損害賠償を請求する場合
②相続が発生したため、相続人になる場合
③遺贈を受ける場合 

行為能力とは

 民事上の取引を行う場合には、利益になるか不利益になるかの判断をする能力が劣っている者や、判断能力が全くない者を保護するために、民法が用意した能力制度の類型に該当すれば、取引に制限を加えることができます。

 その制度が行為能力制度です。

 この制度によって制限を受ける者を制限行為能力者と言います。

 制限行為能力者には、未成年者・成年被後見人、被保佐人、被補助人という類型が制度化されています。

 そのうち、未成年者の保護制度と成年後見制度について、簡単に解説します。

未成年者の保護制度

 20歳以下の未成年者(2020年4月1日からは18歳以上)は、十分な判断能力を有さないとされています。

 そのような未成年者を保護するため、未成年者が法律行為をするためには、原則的に法定代理人の同意が必要です。

 法定代理人とは、未成年者の親権者のことを言います。通常は父母が親権者でありその者が保護者であり法定代理人であることが原則です。

 ただし、親権者がいない時は、家庭裁判所が選任した未成年後見人が保護者となります。法定代理人は、民法上の同意権・代理権・取消権・追認権が未成年者を監督するために与えられています。

 もし、同意がなく、未成年者が単独で行った法律行為は、法定代理人によって取消ができます。

 未成年者が取消できることを知ってワザと法律行為をした場合でも、取消しをすることはできます。

 ただし、次の法律行為は、法定代理人の同意がなくても、未成年者が単独で有効にすることができます。

①法定代理人が目的を定めて許可した財産の処分行為(おこづかいの使用、ただ全財産の処分はできません。)

②単に権利を得るだけの行為(贈与を受ける・選択権を行使する)や義務を免れることができる行為(債務の免除)

③許可された特定の営業に関する行為(営利目的の反復継続がある場合、営業の全部を許可する場合はできません。)

④身分変動をする行為(認知をする、認知の訴えをおこす、遺言を作成する)

成年後見制度

 精神上の障害により、物事を認識する能力を常に欠く状態にある者が、本人、配偶者、4親等内の親族の請求により、家庭裁判所によって審理され、後見制度で保護することが相当と判断され、後見開始の審判を受けた者を成年被後見人と言います(家庭裁判所は要件を満たす限りにおいては、後見開始の審判をしなければならないとされています)。

 意思能力を欠くことの立証は困難なことが多いため、あらかじめ意思能力がない者を定型的な被後見人として認定し、被後見人が行った法律行為を無効とし、代わりに後見人が財産管理や身上監護を行う制度になります。